
配信元:シネリーブル池袋
こんにちは、認知症家族を介護中のユウコ姉です。
今年に入っていろいろありましたが、やっと映画を見に行けた。

異例のロングランのおかげです
【枯れ葉】について
20代の頃から、たまらなく好きだったカウリスマキ。
名匠の引退宣言はよくある話で(笑)誰も本気にしていなかったかもしれませんが、多くの人が彼の復活を待ち望んでいたことでしょう。
だからこそ、こんな地味な作品がロングランになっているんですよね。
地味なんだけど、心に染みる。
ありきたりなんだけど、そこがいい。
随所にカウリスマキ色があり、
古き良き時代の銀幕の香りがし、
せわしない日常を忘れさせてくれる作品なのです。

実際、私、泣きました(笑)
想定内で何の意外性もなかったのに。
疲れた心に響いたのでしょうか。(^^;
概要&受賞歴
『枯れ葉』 Kuolleet Lehdet/(英題)Fallen Leaves
- 製作年/2023年
- 製作国/フィンランド・ドイツ合作
- 言語/フィンランド語
- 上映時間/81分
- 配給/ユーロスペース
受賞歴
- 第76回カンヌ国際映画祭・審査員賞受賞
- 第81回ゴールデングローブ賞・最優秀女優賞、最優秀非英語映画賞ノミネート
スタッフ&キャスト
【スタッフ】
- 監督・脚本/アキ・カウリスマキ…(作品)『街のあかり』『浮雲』他
- 製作/アキ・カウリスマキ、ミーシャ・ヤーリ他
【キャスト】
- アルマ・ポウスティ(アンサ)…出演作『TOVE/トーベ』『4人の小さな大人たち』他
- ユッシ・バネタン(ホラッパ)…出演作『ラップランド・オデッセイ』『フォレスト・ジャイアント』他
主演二人とも、カウリスマキ作品にぴったり!
脇役は、カウリスマキ常連俳優が固めています。
あらすじ
ヘルシンキの街で偶然出会い、一目惚れしたアンサとホラッパ。
次に会う約束をしながらもすれ違い、再会を果たした途端、今度はケンカ別れをしてしまいます。
その後、不当解雇されたアンサは働く意欲を取り戻し、アル中だったホラッパはようやく断酒の決意を固めて、改めて彼女に会いに行く決意をしました。
が、二人には過酷な運命が待っているのでした。
【枯れ葉】総評 ★★★★☆
あぁ、これぞ【カウリスマキ】!
あの奇妙な長回しも、おかしな無言シーンも、想定内のトラブルも、独特な挿入曲の選定も、これがカウリスマキでなくて何なのでしょう!!!
『帰ってきたのね!』
『お帰り、カウリスマキ』
私と同じく、みなさんも感激しているのでは?
派手さはないので、退屈に思う方もいるかもしれません。
それでも映画館に座って、ずぅ~~っと見ていたくなる、そんな作品です。

配信元:シネリーブル池袋
名セリフ&名場面(ネタバレ注意)
本当によくあるシチュエーションなんです。
電話番号のメモ紛失とか。
約束の日に交通事故とか(笑)。

今どき?『めぐり逢い』じゃあるまいし、展開ベタすぎ
相変わらず、セリフは多くありません。
だって、カウリスマキですからね。
そして、薄幸の女性の味方です。
カウリスマキですからね。
アンサの友人が、ホラッパに腹を立てて
と罵るのだけど、アンサはすかさず反論します。
罵倒シーンにさえ温かみを感じませんか?(笑)
またラストシーンで明かされる、アンサの飼い犬の名前がいい!
この一言に胸が弾みました。
なぜなら映画を見ていて、

あれ、なんかチャップリンっぽい
そう思いながら鑑賞していたからです。
アキ・カウリスマキについて
カウリスマキは一風変わった作風で、昔はコアなファンに支持される監督だったように思います。
私の周りでカウリスマキの話をする人は、ほとんどいなかったし。
私の初カウリスマキは、『マッチ工場の少女』。
まだ2本立てが一般的で、別の映画見たさに行ったはずが(その作品は忘れたし)こっちに夢中になりました。
モノクロで地味~な、どうしようもない物語なのに、今でも鮮明に覚えています。
その後『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』でマニアと化しました(笑)。
『コントラクト・キラー』も大好きな作品です!
カウリスマキが上映されるたびに映画館に足を運んできましたが、『枯れ葉』は本当に彼らしい哀愁に満ちた良作に仕上がっています。
昔から、底辺の労働者に愛情を注ぐ作品が多いけれど、見ていてほのぼの、元気になれる映画です。
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