須賀敦子・翻訳の『インド夜想曲』【読書】

こんにちは、認知症パパを介護中のユウコ姉です。

介護は確かに大変だけど、ココロにスキマを作ってあげて、上手にストレス解消しましょうね!

ユウコ姉
ユウコ姉

たまには、こういう抒情的な小説を読んでみますか

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小説【インド夜想曲】

最近は、書籍購入はほとんど電子書籍ですが、どうしても紙で読みたい作品ってありますよね。

私にとって須賀敦子の“随筆”が、まさにそれに該当します。

必ず文庫で購入し、ゆっくりとページを繰りながら読み進め、その世界に浸りたくなるのです。

エッセイではなく、古風に随筆と呼びたくなる作品です

彼女の本は何冊も持っているんだけど、イタリア文学の翻訳を読んだことがなくて、改めて探していたところ見つけたのが『インド夜想曲』でした。

ええっ?昔私を虜にした、あの『インド夜想曲』

そう・・・20代の頃、フランス映画がやたら好きで、ジャン・ユーグにハマっていた私は、この摩訶不思議な映画が大好きだったのです!

その原作を、これまた大ファンの須賀敦子が翻訳していたと知った時の感激といったら!

っていうか、知らなかった自分が情けない(笑)。

そんなわけで、今さらですが読んでみました。

あらすじ

一人称で語られるこの小説は、イタリア人の主人公が失踪した友人を探してインド各地を旅する物語。

ムンバイ(作中ではポンペイ)を起点に、マドラス、ゴアの3都市をめぐり、友人の軌跡をたどりますが、それは夢の中をさまようようで、彼の消息はするりと抜け落ち、あと一歩のところでつかまえることができません。

スラム街の娼婦、廃墟のような病院、そして聖職者を訪ね歩き、友人の行方をたずねるうちに“僕”が探しているのが本当は誰なのかが明らかになっていくのでした。

著者アントニオ・タブッキ

訳した須賀敦子があとがきで述べていますが、彼女自身、当時タブッキに興味はなく、友人に「騙されたと思って読んでみてよ」と勧められて初めて読んだというくらい、本国イタリアでも敬遠されがちな作家だったそうです。

でも一度タブッキ作品に触れると、そのゲーム性というか、夢遊病的というか、謎かけをされているような魅力にあふれていて、なんだか夢中になってしまいます。

彼の小説はほぼ短編で、自分探しの抒情的なものが多いのですが、私も今回夢中になったので、他の作品にもトライしてみようと思います。

もちろん、美しい文体の須賀敦子訳で!

『インド夜想曲』タブッキにしてはわかりやすい作品らしいので、よかったら読んでみてください。

 

アントニオ・タブッキ Antonio Tabucchi <Profile>

  • 1943年イタリア・ピサ生まれ
  • 小説家・ポルトガル文学研究者として知られる
  • 主な作品『イタリア広場』『さかさまゲーム』『遠い水平線』『レクイエム』
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映画【インド夜想曲】

最初から最後まで、幻想的な映像で綴られるこの映画は、好きな人ならいざ知らず、そうでなければ途中で寝てしまうかもしれません(笑)。

私はビデオを持っていて何度も鑑賞したけれど、そのビデオはどこへやら。

探してみたけど、やっぱりなかった

なければ余計に「また見たい」という衝動に駆られるものですが(笑)、中古DVDがやたら高価になっていて、どこかのVOD(動画配信サービス)に登場するのを待つしかない状態です。

この映画は、ジャン・ユーグの魅力満載。

『サブウェイ』『ニキータ』『ベティ・ブルー』など、彼の有名作はいろいろありますが、私は『インド夜想曲』ジャン・ユーグが一番素敵なのではないかと思います。*^^*

わかるような、わからないような、そんな感じで終わってしまうけれど、これはそういう映画なので(笑)。

やっぱり好き嫌いが分かれる作品ですね。

概要

『インド夜想曲』 Notturno Indiano

  • 製作年/1989年
  • 製作国/フランス
  • 上映時間/110分
  • 言語/フランス語、英語

スタッフ&キャスト

【スタッフ】

  • 監督/アラン・コルノー…『リュミエールの子供たち』『アメリカの贈りもの』他
  • 脚本/アラン・コルノー、ルイ・ガルデル…『インドシナ』『キャラバン』他
  • 音楽/フランツ・シューベルト…『さよなら子供たち』『美しすぎて』他

【キャスト】

  • ジャン・ユーグ・アングラード
  • オットー・タウジヒ
  • クレマンティーヌ・セラリエ

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【インド夜想曲】今日のまとめ

映画はもちろんいいんだけど、今回読んだ原作も良かったです。

訳した須賀敦子の文章がそれはそれは美しくて、タブッキの雰囲気にぴったりです。

私は一度だけ、トランスファーでムンバイに1泊したことがあって、20年前のまだ都会になりきれていない当時の雰囲気を思い出しました。

その後インド周遊しようと思ったけど、出発時に高熱を出しキャンセル。インドに拒絶された気がして再トライしていません(笑)

この小説では主人公が三大都市を移動しますが、貧民街から最高級ホテルまで、どんなルートでどこに滞在するのかを紹介するインド旅行の本としても楽しむことができますよ。

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