川上澄夫『初夏の風』【読書】

こんにちは、認知症パパを介護中のユウコ姉です。

介護は確かに大変だけど、ココロにスキマを作ってあげて、上手にストレス解消しましょうね!

ユウコ姉
ユウコ姉

今回はココロ癒される画集を紹介いたします

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ココロときめく『初夏の風』

かぜとなりたや
はつなつの かぜとなりたや
かのひとの まへにはだかり
かのひとの うしろよりふく
はつなつの はつなつの
かぜとなりたや

ご存知、川上澄夫『初夏の風』です。

私は梅雨前後の晴れ間に、いつもこの詩を思い出し、さわやかな風を感じます。

ユウコ姉
ユウコ姉

物陰から憧れの女性を見つめる青年の姿が目に浮かぶようで、微笑ましい

最近ネットで、川上澄夫の画集を購入したのですが、これがとても素敵だったので、紹介させてくださいね。

詩も、版画も、すごくいいのです。

ステイホームのおかげで読書量は増えましたが、こんなテイストの画集の方がココロ和みます。*^^*

あの棟方志功を版画家へと導いた

私が川上澄夫の詩に出会ったのは、20代前半だったと思います。

決して直接的ではなく、棟方志功のドキュメンタリーを見たのが最初でした。

視力が悪く、画家を志すも認められなくて失意の底に沈んでいた棟方を、版画家へと導いたのが、この川上澄夫の『初夏の風』

彼は『初夏の風』に感銘を受けて版画家となり、やがて日本を代表する巨匠となりました。

この作品は、1926年(大正15年)に発表された木版画。

緑色の一陣の風が女性のスカートを翻す情景に、緑の文字が溶け込んでいて、一見ストーカー的な詩なんだけど(笑)、なぜか風のさわやかさだけが心に残ります。

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詩人&画人【川上澄夫】

川上澄夫の作品は、画と詩が常に一体化しています。

こんなにたくさんの版画を見たのは、私も今回初めてですが、色彩豊かでうっとりします。

かるたや英単語カードみたいな一色刷りの作品も、趣と茶目っ気があって楽しいです。

画集の中からいくつか添付してみたので、ご覧になってくださいね。*^^*

この画集は鹿沼市立川上澄夫美術館が編集・保管していたもので、中古で手に入れましたが、カバーが日焼けした程度の状態の良さで、しかも送料込み1000円未満という安さで購入できました。

『家は借りて住め。本は買って読め』

そう言ったのは、灰谷健次郎だったかな?

私も借りるより、買って読みたい派で、できれば新品を読み込むのが好みです。

真新しい本の匂いや、貼りついたようなページをめくるのって快感ですよね。*^^*

川上澄夫プロフィール

川上澄夫という人は商業デザイナー志望でしたが、美術学校進学を父親に反対され、失意のままアラスカに旅立ちました。

帰国後は中学校の英語教師をしながら、木版画の制作に勤しんでいたようです。

川上澄夫 Sumio Kawakami <Profile>

  • 1895年、横浜市生まれ
  • 1916年、青山学院高等科卒業
  • 1917年、父の勧めでカナダ・ビクトリアに渡航
  • 1918年、アラスカの鮭缶詰工場で働くが、その後帰国
  • 1920年、25歳の時、第二回日本創作版画協会展で『黒き猫』が入選
  • 1926年、第五回国画創作協会展に『初夏の風』を出品
  • 1928年、教員免許をとって正式に教諭となる傍ら、制作を続ける
  • 1958年、63歳で退職し「これからいよいよ版画家となる也」と記す
  • 1972年、77歳で死去

 

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【川上澄夫『初夏の風』】今日のまとめ

上下の作品を見ると、今でいうグラフィックデザイナー志望だったというのも頷けますよね。

シンボリックなイラストと、洒落たコピーに、クスリと笑ってしまいます。

英語教師という職業柄か『画集ゑげれすいろは』という“アルファベットかるた”のような作品があるのですが、こんな楽しいカードがあれば英単語が簡単に覚えられたのになぁと思いました(笑)。

Gは Gun
鉄砲は獲物をねらふ
わたくしはあなたをねらふ

Jは Jack
せめてあの人のJackになりたい
Kingになるなんてもったいない

ね、面白いでしょ?

彼はデザイナーになったとしても大活躍したことでしょう。

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