徘徊する認知症パパ

気持ちの良い季節になりました。

だからってわけじゃないでしょうが、うちの認知症パパが一人で出かけてしまいました。(><;

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認知症パパ、どこ行った?

あぁ、とうとうこんなコトが起こってしまった…。

どんなに不機嫌でも、どんなに面倒をかけても、パパがひとりで外に出ることはなかったのに。

うちの認知症パパ徘徊を始めたのです。

 

私たち家族は、細心の注意を払ってきました。

誰かが必ず、同じフロアでパパの見張りをしていたし。

それでも、起こりうる事態なのだと再認識です。

 

その日の朝、パパは意外とゴキゲンでした。

ひめ
ひめ

これならデイサービスに行っても大丈夫かな

そう思って送り出したんだけど、お昼過ぎ

すみません、パパさんがまた帰りたいと…

私は食事を始めたばかりでしたが、迎えに行かなきゃ仕方ない。(--;

途中で箸を置き、急いで施設に向かいました。

 

すると途中で、パパの手を引いているスタッフのお兄さんが見えました。

じっと待っていられないほど、イライラしていたのでしょう。

午前中はゴキゲンだったんですけどね…力及ばず、ごめんなさい

こっちこそ、ごめんなさいです。

パパは仏頂面で今度は私の手を握り、速足で家に向かいました。

 

帰宅後20分くらいたった頃でしょうか。

私が階下に降りてみると、パパの姿が見えません。

ひめ
ひめ

ママ、パパはどこ?

ママ
ママ

トイレでしょ?

でも、トイレは無人。

不安になって玄関を見てみると、パパのスリッパが置いてあります。

ひめ
ひめ

ママ!パパ、外に出てるよ!

ママ
ママ

ええ~~~っ!!?

わが家は大騒ぎになりました。

認知症パパの捜索願い

隣の部屋…といっても、たった2mしか離れていない場所にいたママが、どうして気づかなかったのか。

実は彼女、近頃少し耳が遠いのです。(--;

おまけに、ウトウトしていたらしい。

 

ママを怒っても仕方ないので、私はすぐ昼寝中の弟を起こし、3人で近所を探しました。

でも町内で見つからず、私は一番近い派出所に走りました。

ひめ
ひめ

すみません、認知症の父親が急にいなくなって…

おまわりさんに、パパの生年月日や容貌を詳しく説明していたら、ママから電話が。

 

ママ
ママ

通りすがりの人が、パパを見つけて電話くれた。K高校の近くにいるって

あぁ~~良かった!!!

 

うちのパパを見つけた方は、まったく知らない人でした。

どうも様子のおかしいパパに、話しかけてくださったようなのです。

 

パパは自分の名前住所、電話番号をその方に伝えました。

えらいぞ、パパ!

 

私はおまわりさんに事情を話し、今度はK高校に向かいました。

徒歩30分の距離で、汗だくになりました。

途中で弟と合流すると、さっき訪ねた派出所から、パパは「パトカーに保護されている」と電話が入りました。

見知らぬ親切な方が、わが家に電話した後、警察を呼んでくれたそうです。

私たちは、高校そばに止められたパトカーを探して走りました。

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認知症パパ、なぜ徘徊?

高校を取り囲む長い塀が、永遠に続くように感じたその先に、ようやくパトカーが見えました。

ビルの駐車場前におまわりさんが立っていて、段差のある所にパパが座っておりました。

見ると、顔に傷があります。

私は安心と動揺が一気に噴き出して、泣き出してしまいました。

人前で泣くことなんか、普段ないのに。

ひめ
ひめ

パパ、心配したでしょ!

涙が止まりません。(ToT)

そしたらパパは

パパ
パパ

すまんかったの。よしよし

泣いている私の背中をポンポンしながら、何度も何度も謝りました。

ひめ
ひめ

ひとりで出歩いちゃダメよ。その顔どうしたん?どこでケガした?

そしたら、おまわりさんが

パパ兄
警官

そこの段差でつまづいて転んだそうですよ

それも、通報者が教えてくれたそうです。

 

その方にはこちらから連絡が取れないので、警察の方から感謝を伝えてもらうことにし、おまわりさんにもお礼を言って、私たちはタクシーを呼んで帰宅しました。

あぁもう、クタクタ。(ToT)

徘徊SOSに登録

うちのパパはかなり進んだ認知症ですから、当然ながら何も身に覚えがありません。(--;

  • なぜ、ひとりで外出したのか?
  • どこに行きたかったのか?
  • 誰に助けてもらったのか?

わからないどころか

パパ
パパ

ひとりで出かけたっけ?

という世界です(いい加減にしろ)

 

うちのパパは「徘徊だけは絶対しない」という観念が崩れ落ち、今後いつまた、いなくなってもおかしくない状況になってしまいました。

おまわりさんにも、言われました。

パパ兄
警官

念のために、徘徊者の登録をしておいた方がいいですよ

地区の福祉センターに『徘徊SOS』というシステムがあって、登録しておけば、あちこちと連携して行方不明者を探してくれるそうです。

 

私は早速パパの写真を持って、登録に行きました。

そこでアドバイスされたのは、本人にGPSをつけたり、玄関の鍵を増やすなどの取り組み。

わが家では、新たな鍵を取りつける方向で検討中です。

 

それにしても今回感じたのは、みなさんとても親切だということ。

認知症の徘徊なんて、他人には面倒に違いないと思っていたのに、警察も、パパを発見してくれた方も、福祉センターの職員さんも、みんなすごく親身になってくれて助かりました。

世の中まだ捨てたもんじゃないですね。*^^*

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【徘徊する認知症】今日のまとめ

ひとりで外出する時、うちのパパは足音を立てないように、こっそりと出かけたようです。

私は上の階にいても、いろんな音に気をつけていて、インターホンはもちろん、扉を開ける音や階段の足音、玄関の開け閉めの音などが聞こえたら、すぐ階段を駆け下りるのですが、今回パパはよっぽど音をたてない工夫をした模様。(--;

 

しかも足腰が弱っているので、普段すり足に近い歩き方にも関わらず、あっという間にあんな所まで!?

認知症さんって、ホント怖い。

 

出かけた当初は何か思惑があったんでしょうね。

  • 故郷の家に帰りたい、とか
  • 自分の親に会いたい、とか
私たちには理解できない急を要する事態がアタマの中に起こって『行かなきゃ!』モードになったのだと思います。

 

親切な方が声をかけてくださったからいいようなものの、遠くで行方不明になったり、骨折でもしていたら…と思うとゾッとします。

今日の認知症パパ語録

翌朝パパが言いました。

パパ
パパ

痛たたた・・・なんでじゃろ?

昨日のことなど、もちろん覚えていません。

私は、パパがひとりで出歩いて、みんなに心配かけたこと、警察に保護されたこと、段差につまづいて腕や顔にケガしたことを、順を追って説明しました。

カラダが痛いというたびに、同じことを伝え「ひとりで外出しない」ように頼みました。

 

パパ
パパ

ほぉ~か…そりゃすまんかったの。それでカラダが痛いんか

ひめ
ひめ

だからもうひとりで出歩いちゃダメよ。どこか行きたい時は私と一緒に出かけようね

パパ
パパ

うん、わかった、わかった

ホントにわかったと思います?(笑)

もちろん信じちゃいませんが。

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