認知症の番組『認知症第一人者が認知症になった』

先週末、NHKでとても良い番組を放送していました。

ご覧になった方はたくさんいらっしゃるでしょうが、あまりに感動したのでブログで紹介しようと思います。

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NHKスペシャル【認知症の第一人者が認知症になった】

この番組の主人公は、医師の長谷川和夫さんと、そのご家族。

認知症研究の第一人者として知られ、【痴呆症】【認知症】という病名を与え認知症の早期発見につながる「長谷川式」検査方法を考案した長谷川先生自身が、認知症と葛藤する日々を記録した番組です。

 

ご本人は努めて冷静に自分の症状を分析しているようですが、今自分の身体で何が起こっているのか、これから先どうなるのか、それがわかる怖さは計り知れないと思いました。

それでも・・・

自分の姿を見せることで、認知症という病気を伝えたい

こうおっしゃっていました・・・すごい方ですね。

 

医師・長谷川和夫さんの認知症症状

長谷川先生の場合は、うちのパパのアルツハイマー型とは違うけど、同じような症状が見られます。

 

たとえば、曜日の言い間違い

「何曜日かわかってる?」と聞かれて、「水曜日か・・・いや金曜日か? 木曜日か?」

わが家の日常を見るようでした(笑)

間違いをたしなめると怒る

これも認知症の特徴のひとつですね。感情のコントロールができません。

 

トイレに何度も行く

奥様が「さっき行ったこと忘れてるのかしら」とつぶやいていましたが、わが家でも同じです。

 

それに対して長谷川先生は、失われていく「確かさ」について語っています。

自分の中の確実性が薄れていくから、何度も同じことをしたり、同じことを聞いたり・・・そして「これは聞いても大丈夫かな?」と思い始めると無口になるのだと。

 

そして奥様と会話をするうちに、その「確かさ」が少しずつ戻ってきて安心するのだそうです。

泣けてきます・・・私この番組見て、何回も泣きました。(ToT)

 

『ボクはやっと認知症のことがわかった』自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

  • 長谷川和夫著、猪瀬律子著
  • 出版社/KADOKAWA
  • 発売日/2019年12月27日
  • 単行本(224ページ)
  • 定価/1,430円

 

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認知症になった時の葛藤

どんな病気でも、宣告されて恐ろしいのは同じだけど、認知症はまたひとつ違った怖さがあります。

だって、自分が失われていくのだから。

うちのパパも、落ち込んで無口になった時期があります。

 

今も油断できませんが、躁鬱が激しいので要注意です

長谷川先生も「自分が発症するまで、認知症患者の本当の気持ちがわかっていなかった」と言っていました。
  • 「心のケア」を主張しながら、認知症のうつがどういうものなのか知らなかった。
  • そして、自分が提唱した「デイサービス」が楽しくなくて参加をやめてしまいます。

 

だけど、そこは研究者。

彼は日記を書き続け、自らの葛藤をつづりながら、認知症と向き合っているのです。

認知症って、クスリや運動で進行を抑制するより心のケアが一番大切・・・私もそう思います。

 

『よくわかる高齢者の認知症とうつ病』正しい理解と適切なケア

  • 長谷川和夫著、長谷川洋著
  • 出版社/中央法規出版
  • 発売日/2015年7月31日
  • 単行本(237ページ)
  • 定価/2,200円 

認知症患者の家族の葛藤

認知症さんがこれまで通りの暮らしを続けていけるかどうかは、ひとえに家族にかかっています。

もちろん病状や、本人の意向に沿うことが大切ですけどね。

 

わが家では最初うちのママが、パパの認知症を受け入れることができなくて苦労しました(笑)。

長谷川家では、先生の仕事のお手伝いをする娘さんが、なかなか受け入れられなかったようです。

 

立派な仕事をしている、尊敬すべき父親だったんだから無理もありません

けれど「父は、なんら変わっていないんだ」と気づいた時、病気を受け入れることができたんですって。

いいお話ですね。*^^*

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【認知症の第一人者が認知症になった】今日のまとめ

どうしてこんなにも感動して、あんなに涙が出たのかといいますと・・・

  • まず、うちのパパの姿と重なってしまったというコト。
  • 決してパパからは聞き出せない認知症の本心を、長谷川先生の口から聞けたというコト。
  • そして、ご家族のあたたかい愛情ですね。

 

『認知症になるのは不便だけれども、不幸じゃない』

先生のこの言葉は、強がりでもなんでもなく本心だと思います。

 

番組で聞いた長谷川先生語録

一日の終わりに必ず、奥様にお礼を言う長谷川先生。

うちのパパもよく家族に「ありがとうね」と言ってくれますが、これはホントにうれしいです。

 

『余分なものが、はぎとられちゃうわけだよね、認知症になると。よくできてるよ』

素のままのその人でいるからこそ、素直にお礼も言えるのでしょう。

 

『心配はあるけども、心配する気づきがないからさ。神様が用意してくれた、ひとつの救いだ』

『認知症になっても見える景色は変わらない』長谷川先生の言葉に、私たち家族も勇気づけられました。

 

そして先生を、いつも笑顔で見守る奥様がまた素敵でした。

『とにかくあんまり嫌な思い出を作らないようにしようと思いますよ。「のんびりできてよかったね」くらい言えるようにね』

ホントですね。記憶に残らなくてもいいから、いい思い出を作ってあげたいと思います。

 

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