こんにちは、認知症パパを介護中のユウコ姉です。
自宅で介護を続けていると、気持ちに余裕がなくなってきませんか?
だから、いい意味で、ココロにスキマを作りましょう。

今回は、じっくりと哲学書を読んでみたよ
『自省録』とは、どんな本?
あまりにも有名なマルクス・アウレリウスの『自省録』は、約2000年前に記されました。
彼が自分自身に宛てた散文集のようなもので、日々己を省みながら政治家としてのあるべき姿を模索し、神への感謝をつづっています。
ローマ五賢帝のひとりでもあるアウレリウスのこの書物は、現代の政治家の座右の書として挙げられることが多く、ホントにこんな政治家ばかりなら、世の中もっと平和になるのに・・・と思ってしまうほどです。
『自省録』は全12巻で構成されていますが、全文を通しての一貫性はなく、その時その時の気づきを書きつられた短い日記のようなモノ。
でもその根底には、普遍的な宇宙観と信仰心があり、それが私たちの心に響くのかもしれません。
マルクス・アウレリウスとは
マルクス・アウレリウスは、西暦121年のローマに生まれました。
幼い頃からすぐれた資質をあらわし、一流の教師たちに囲まれて、その教養を磨いたようです。
当時のローマはストア哲学が主流で、彼もその学派に傾倒しました。
賢帝ハドリアヌスの目に留まり、その後継者アントニウス・ピウスの養子となったものの、読書と瞑想を好むマルクスは、皇帝になるコトなど望みませんでした。

凡人は権力者になりたがるものですけどね・・・
が、アウレリウス時代のローマは問題山積。
度重なる震災、他民族による侵攻、ペストの流行・・・彼はローマ市民を守るために、自分の財宝を売り払い、戦いの先頭に立って活躍したようです。
アウレリウス自身も、妻や子供たちを失うなどの不幸に見舞われ、高潔すぎるが故に孤独な人でした。
だからこそ『自省録』のような名著が生まれたのではないかと言われています。
『自省録』の読み方
こういう本は、一気読みしてはいけません。
いや、自分が読破にひと月かかったから・・・という言い訳じゃありませんが(笑)。
とにかくですね、どこから読んでもOKな本だし、要所要所を心に刻みたいものです。
『自省録』はいろんな人が訳していますが、私はこの神谷美恵子氏訳の岩波文庫を選びました。
(レビューを参考にしたところ、多くの人が神谷訳を支持しているようです。)
もっと理解しにくいかと思ったんだけど、とてもわかりやすかったので、ぜひオススメいたします!
『自省録』名文ピックアップ
『自省録』には似たようなフレーズが何度も使われたり、同じ意味合いの内容を、たとえを変えて繰り返し述べる・・・という傾向が見られます。

それだけ大切な信念があるってコトですよね
ここで今回、私の胸にささった言葉をピックアップしてみようと思います。
すべての出来事は正しく起る。もし君が注意深く観測するならばこのことを発見するであろう。(第4巻 10より)
・・・「何事も、成り行きではなく、正義に従って起る」んですって。
君は一つの死体をかついでいる小さな魂にすぎない (第4巻 41より)
・・・これはエピクテートスの言葉だそうですが、なるほどねぇ。
これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。 (第4巻 49より)
・・・奥深い、すごい言葉です。
生まれつき耐えられぬようなことはだれにも起らない。(第5巻 18より)
・・・本当にそうであってほしいと思いました。
あたかも君がすでに死んだ人間であるように、現在の瞬間が君の生涯の終局であるように、自然に従って余生をすごさなくてはならない。(第7巻 56より)
・・・凡人は残念なコトに、なかなかそのような心境にはなれません。
罪を犯す者は自分自身に対して罪を犯すのである。不正な者は、自分を悪者にするのである。自分にたいして不正なのである。(第9巻 4より)
・・・このように『自省録』には、珠玉の言葉が詰まっているのです。
『自省録』今日のまとめ
私がなぜ今さら『自省録』を読んだのかと言いますと・・・文庫の帯にもありますが、NHKの『100分で名著』をたまたま見たからでした(笑)。

いつか読んでみようと思いつつ、難しそうで手が出なかったのです
あの番組のおかげで、『自省録』バカ売れなんじゃないかと思います。
だって、素晴らしい解説でしたからね!
そして私にとっては今読んだからこそ、響いたのかもしれません。
『自省録』は、繰り返し読もう
このような類の本は、年を経て読み直すと、また違った趣が感じられるコトでしょう。
胸にしみる言葉も、その時どきで異なってくるはずです。
私は今回初めてだったので、最初から通して読んだけれど、パッと偶然開いたページを読んでみるのも面白いかもしれません。

心が折れそうな時、ほんの数行読むだけで勇気づけられるかも
次は夜眠る前に、少しずつ読んでみようかなと思っています。
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