
配信元:MOVIE WALKER PRESS
こんにちは、認知症パパを介護中のユウコ姉です。
コロナ疲れに、介護疲れ、たまには外に出かけなきゃね。

で、半年ぶりに映画を見てきました~
【PLAN 75】について
この【PLAN 75】は、もともと是枝裕和監督が総合監修したオムニバス映画の1本を長編化した作品らしい。
私はその『十年 Ten Years Japan』を知らないのですが、香港のオムニバス映画『十年』の日本版で2018年に公開されているそうです。
カンヌで受賞し、なにかと話題になっているので、どういう映画かご存知の方も多いと思います。
現代の高齢化社会に警鐘を鳴らす、問題作ですね。
なかなか厳しい内容で、見終わって良い気分にはなれませんでした。
でも、考えさせられます。
そういう意味でも、一見の価値がある作品だと思いました。
概要&受賞歴
『PLAN 75』
- 製作年/2022年
- 製作国/日本
- 配給/ハピネットファントム・スタジオ
- 上映時間/112分
- 言語/日本語
受賞歴
- 第75回カンヌ国際映画祭カメラドール新人監督賞受賞
スタッフ&キャスト
【スタッフ】
- 監督・脚本/早川千絵
- 撮影/浦田秀穂
【キャスト】
- 倍賞千恵子(角谷ミチ)…ホテルの清掃係をしながら暮らす、78歳の孤独な女性
- 河合優実(成宮揺子)…【プラン75】の顧客をサポートするコールセンタースタッフ
- 磯村勇斗(岡部ヒロム)…【プラン75】の申請窓口で働く公務員
- たかお鷹(岡部幸夫)…孤独に生きて来たヒロムの叔父
- ステファニー・アリアン(マリア)…娘の手術代を稼ぐため【プラン75】に転職する介護士
キャスティングが非常に良かったです。
きっと観賞者以上に、役者さんたちも感じ入るところがあったんじゃないかと思います。

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あらすじ
政府主導で進められる【プラン75】―それは75歳以上の高齢者に死を選ぶ権利を与えるという制度。申請後は自由に使える10万円をもらい、無料の合同葬儀と埋葬を約束されています。
まだ自立できると自負していたけれど、仕事をクビになり、申し込んでしまう78歳のミチ。
そんな彼女を担当し、親身に接するうちに情が沸いてしまった成宮。
今まで何の疑問も抱かず【プラン75】を斡旋していたのに、疎遠だった叔父が窓口に現れたことで動揺する公務員のヒロム。
親戚とも距離を置き、孤独に暮らす中で【プラン75】を選ぶしかなかったヒロムの叔父幸夫。
そして娘のために転職したものの【プラン75】の業務を嫌悪するマリア。
彼ら数人の人生を通して、高齢化社会の行く末と、システムでは解決できない人間感情の矛盾や、理屈では割り切れないやるせなさを私たちに投げかける傑作です。
【PLAN 75】総評 ★★★★☆
いい映画だと思います。
セリフが説明的でないところがいい。
役者が言葉にしていない行間を、見ている側が十分に埋められ、その空白に思いを馳せられるからこそ、胸に迫ります。
でも切ないなぁ。
平日昼間の映画館には高齢者が多かったんだけど、途中で帰る人が何人かいて、直視できなかったのかもしれませんね。

私の隣の方も、席を立って戻って来ませんでした
見ていると、スクリーンに釘付けになります。
淡々とした映画ですが、退屈な場面はまったくありません。
ただ、やるせないんですよね。。。
私は再観賞したいとは思わないけれど、それでも見るのをお勧めします。
この映画を見終わった後、自分の中できっと何かが変わります。
【PLAN 75】SNSコメント
ブログを運営していながら、私はあまりSNSを活用しないのですが【PLAN 75】に寄せられているコメントを見てショックを受けました。(ーー;

こんな制度があったらいい

自分もぜひ活用したい

プラン75、全面的に賛成
この架空制度に肯定的な意見ばかりだったんです。
もちろん、それを否定するフツーの意見だったら、わざわざ書き込まないと思うので、余計目立っているのでしょうけど。
う~ん、確かに「長生きすれば良い」とは言えませんが、この映画は「やっぱりこれは間違ってるよ」と訴えていると思うんですよね。
物語の中で【プラン75】は強制ではなく、本人が希望するわけだけど「これ以外に選択肢がない」状況って、おかしいでしょう?
・・・というような心の葛藤を、映画を見た後してみてください(笑)。

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名場面&名セリフ(ネタバレ注意)
印象的なシーンはたくさんあるのですが、セリフはあまりないんです。
このセリフは内容には関係ないんだけど、映画が始まってからずっと私が感じていたことなので「あ、代弁してくれた!」みたいな達成感があって(笑)うれしかったので取り上げてみました。
*【プラン75】を申し込んだミチが規則に反してカウンセラー成宮とこっそり会い、声を褒めらる場面。
80歳を超えた今でも、あんなに声がキレイな人って、そうそういません。
しかも滑舌なめらか!
歌を歌ってきたからかなぁ。*^^*

ホントに倍賞さんの声にうっとりして、それがこの映画の救いですね
他には、成宮役の河合裕実ちゃんが、すっかり情の映ったミチを思いとどまらせようと何度も電話をかけるシーンとか、磯村勇斗くんが亡くなった叔父さんのために車を暴走させるシーン(スピード違反で捕まるってオチもなかなか…笑)も良かったです。
要は【人間の尊厳】ですよね。
割り切れない何かって、そういうことだと思いました。
ラスト、最後に思いとどまったミチが見つめる美しい夕陽・・・その感動がすべてを語っているのではないでしょうか。
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