認知症になる人、ならない人

うちのママ姉が亡くなり、先週はふたりで涙に暮れていました。(ToT)

認知症パパは、厳粛ムードの葬儀がお嫌い・・・わかっているけど「行きたくない」と言われて、私たちは悲しさ倍増です(泣)。

 

スポンサーリンク

認知症のパパが、うらやましい?

 

うちのママは年の離れた末っ子で、今年90歳のおばが唯一残った姉妹でした。

去年はまだ、足が多少不自由なくらいで元気だったのに、8か月ほど前、転倒して骨折し、その直後に喀血して胃に異常が見つかり、寝たきりになって先週、帰らぬ人となりました。

 

一時は生死をさまよい、入院後一度も家に戻ることなく亡くなったのですが、10日くらい前お見舞いに行った時は、熱も下がって笑顔さえ見せてくれていたのに(;_;)。

そのおばが、半年くらい前に言いました。

 

こんなつらい病気より、パパさんの認知症の方がよっぽどいい

確かに・・・うちのパパはカラダは元気なので自分も家族も、ラクなんじゃないか?ふとそう思ったんでしょうね。

おばは人に迷惑をかけたくない人だったから、家族や病院の方の手を煩わせて申し訳なかったのでしょう。

 

見守る私たちも、そりゃつらかったです。

高齢で手術もかなわず、手足を動かすこともままならない状態なのに、何もできないんですから。

 

認知症にならない人の方が、つらいのか?

 

高齢になり、寝たきりが長引いたりすると、認知症になりやすいとよく聞きます。

が、おばは最後まで、頭がしっかりしていました。

まったく動けず介護されるだけだったから、多少は時間の感覚がぼんやりしてましたけど。

 

昔、まだ「認知症」という病名がなかった頃、「ボケる」という言い方をしてましたよね?

それは、死の恐怖から逃れるための必然なのだと、聞いたような気がします。

 

でも私のおばは、そんな逃避をすることもなく、また死を恐れる様子もなく、ただ周囲を気遣って「ごめんね」「ありがとね」の言葉を繰り返して、突然逝ってしまいました。

 

それでも生きててほしいと願うのは、私たちの身勝手ですよね。

動かない重いカラダにさよならして、おばは、やっと心やすらかになれたのかもしれません。

 

スポンサーリンク

認知症パパの参列騒動

 

さてそんな中、うちの暴君は言いたい放題でございました。(--;

夕方出かけて夜には帰れるお通夜は、まぁ普通に出かけてくれました・・・が、翌朝また大騒動。

 

パパ
パパ

なにぃ? 今日も葬式か!? 昨日行ったじゃないか!

ママ
ママ

パパ、昨日はお通夜だったでしょ? 今日がお葬式よ

パパ
パパ

そんなん知るかい。二日も葬式するなんぞ聞いたことがないわい!

ひめ
ひめ

パパのお姉さんの時も、お通夜とお葬式と二日続けて行ったじゃない

パパ
パパ

知らんっ。わしは行きとうない! 葬式は嫌いじゃ!

・・・お葬式が好きな人なんて、おりません(怒)。

 

ママ
ママ

そんなに嫌なら行かんでいい! 私のお姉ちゃんが浮かばれないわ! けどパパにはデイサービスに行ってもらいますっ! 私も葬儀に出席しませんっ!!!

パパ
パパ

デイサービス? いや、それもちょっと・・・。ママは行かんといけんじゃろ

・・・と、だんだん声が小さくなってまいりました。

少し理性が戻ってきたような感じです。

 

出かけてしまえば、ちゃんと人を思いやることもできる

 

パパの怒りが収まって冷静になった頃、私がなんとかなだめすかし、本人も一応納得して、やっと喪服に着替えさせることができました。

 

不思議なことに、参列してしまえば、周囲に合わせて神妙な顔つきで静かに座ってくれるのです。

親戚の人たちに挨拶をして、お数珠をかけて頭を下げ、泣いてる私の肩を撫でてくれる気配りも。

 

いつもの毒舌はナリをひそめて、私が誘導する通り、素直に行動してくれました。

もちろん私は付きっきりで、お焼香や斎場への移動などには、手をつないで一緒に動きました。

 

トイレにも付き添っていたんだけど、従兄姉の子供たちが「お姉ちゃん、僕が代わるよ」とすぐに駆けつけてくれて助かりました。(私は従兄姉より、その子供たちの方が年が近いのです)

 

そうなんです・・・自宅では、あんなに我を通すくせに、人前ではカッコつけるうちのパパ。

周りが気遣ってくれるおかげもあるでしょうけど、いまだに一見フツーの人です(笑)。

 

ひめ
ひめ

私とママは疲れました。涙も疲労させるけど、それ以上にくたびれた

スポンサーリンク

【認知症と葬儀】今日のまとめ

 

ホントは私たちには、わかっていたんです・・・連日のお通夜とお葬式が、パパを疲れさせるってコト。

で、最初は一日かかる葬儀は、デイサービスに預けようかと思いました。

 

ひめ
ひめ

でもね、野辺送りの後、初七日の法要を済ませると、間に合いそうもない

だから一度お願いしたデイサービスを断って、私が付き添うことにしたんです。

誰よりも身近だったママ姉の見送りを、中座することなんてできませんから。

 

パパは帰宅後も、何も文句は言いませんでした。

 

ひめ
ひめ

パパ、疲れたでしょ? お疲れさま、一緒に行ってくれて、ありがとね

パパ
パパ

わしゃ疲れとりゃせんよ。ずっと運転したヤッサンが気の毒なわい

お通夜だけ出席して翌日出勤だった弟に代わって、わざわざわが家に迎えに来てくれた母の親戚に、とても感謝していたようです。

でも、誰の葬儀だったか、もう忘れてるでしょうけどね(笑)。

今日の認知症パパ語録

 

パパ
パパ

なんで行かにゃあいけんのやっ!葬式に二日も行くなんぞ聞いたコトがない!

確か、数年前の別の母方のおばの葬儀の時にも、そう言っておりました。

それが、どれだけショックか、おわかりいただけますか?

 

嫌な思い出はひとつもないので、本当は残念なお別れだと思っているはずなんだけど。

それでなくても悲しみに胸が張り裂けそうなのに、私とママに追い打ちをかけるようなその発言・・・「これが認知症という病気なのか」と思い知らされる感じです。

 

ああ、もうお見舞いにも行けないのかと、私も今は気が抜けている有様です。

「葬儀は人生の卒業式、初七日はあの世への入学式」

導師はそうおっしゃいましたが、まだ慰めにもなりません。

 

コメント